ジブリ映画の名作『魔女の宅急便』の中で主人公の少女キキとキキが魔女の修行中に出会う絵描きの女性“ウルスラ”。
実はこの二人の声を担当しているのはどちらも声優の高山みなみさんなんです!
言われなければ分からなかったという人も多いくらい見事に演じ分けられていますよね。
しかし、なぜ二人とも同じ声優さんが演じているのでしょう。
ジブリ作品の中で同じ声優さんが主要キャラを二役演じる事はとても珍しいことなので、ネット上ではウルスラがキキの未来の姿だという説も。
実際にはどのような経緯で高山みなみさんが一人二役を演じることになったのか、また、ウルスラがキキの未来の姿だという噂は本当なのでしょうか。
スポンサーリンク魔女の宅急便でキキとウルスラの声優が同じ理由は?
実は、最初からキキとウルスラの二役を同じ声優さんが担当する予定ではなく、先にウルスラ役だけが高山みなみさんに決まっていたのだそうです。
ところが、なかなかキキ役の声優さんが決まらなかったために高山みなみさんもオーディションに参加してみたところ、キキ役にも合格してしまったのだとか。
プロから見てもそれだけ高山みなみさんの演じ分けは素晴らしかったのでしょうね。
更になんとこの時まだ高山みなみさんは声優歴三年目だったんだそうです!
やっぱり才能がある方は違いますね。
高山みなみさんはこの急遽決まった一人二役について過去に東京声優専門学校のスペシャルインタビューで
”「絶対無理です。責任がもてません」
とお断りしようとしたら、
「責任を取るのは僕だから安心して」
って宮崎駿監督がおっしゃってくれました。
もう自分のもてる限りのあらゆるアンテナを駆使して挑戦しました。”
と語っています。
宮崎駿監督はきっとどちらの役も『この人しかいない!』と感じていたのではないでしょうか。
ウルスラはキキの未来の姿なの?
そんな訳で、元々はキキとウルスラはそれぞれ別の声優さんを立てるつもりだったということは『キキの未来の姿』とは言っても全くの同一人物、と言うよりは抽象的な意味での『キキの未来の姿』だったのではないかと推測されます。
ウルスラ以外にも作中に出てくるおソノさんなどの主要な女性キャラはそれぞれキキの未来の姿を表しているという説もあるので、少女が大人になり老婆になるまでをそれぞれ別のキャラクターとして描くことで一つの時間軸の中で女性の一生の全てを表現しているということなのでしょうか。
彼女たちから見たキキは若かりし日の自分自身であり、キキを自分と照らし合わせることで自らが少女時代に抱えていた想いと向き合い、キキの背中を押すことで彼女たちもまた自分自身と向き合うことが出来たのかもしれませんね。
また、ウルスラの年齢を決める時にも宮崎駿監督は27歳、鈴木敏夫プロデューサーはキキと同じ13歳にしたいと考えていたということから当初はそんな設定は無く、物語を進めるうちに結果的にそのような解釈も付け加えられていったのではないかとも推測できます。
スポンサーリンクまとめ
思春期真っ只中の不安定な少女キキ。
キキより少し大人になり夢に向かって進んでいる19歳のウルスラ。
結婚してもうすぐ母となる26歳のおソノさん。
自立ようとする子供を温かく見守る37歳のコキリ。
孫にも恵まれ穏やかな日々を送る老婆。
現代ではもちろん他にも様々な生き方がありますが一人の少女の成長を描きながら少女の未来の姿も他のキャラクターとして描いているなんてさすが宮崎駿監督ですよね。
どの年代の人が見ても感情移入しやすいという点もこの作品がこれだけ長く愛され続けている理由なのかもしれません。
スポンサーリンク最後までお読みいただき、ありがとうございました!