先日遊びにきていた親戚の子どもから、「ねえ、海水はどうしてしょっぱいの?」と聞かれて、そういった疑問を抱く子どもの心に妙に感動しながらも、はて、どうしてだろう、と、頭をひねってしまいました。
わたしなど、小さい頃から、海の水はしょっぱいものだと当たり前のように思っていて、「なぜ?」という疑問を抱いたことすらなかったような…。海水がしょっぱい理由は、もちろん、海の水には塩が含まれているからですが、子どもが聞きたいのはそういうことではないのですよね。
どうして海水には塩が含まれているのか。塩はどこからやってきたのか…、そんなことを知りたいわけです。
これって、小学校のときに習ったのかどうか…、それすらも記憶にない私、今回はこの「海水がしょっぱい理由」に焦点をあてて、真剣に調べてみることにしました。
海水がしょっぱい理由とは?
海水がしょっぱい理由は、上述のごとく、海水に塩が溶け込んでいるからですが、ではこの塩はどこからやってきたのでしょう。それはもともと地球の陸地に含まれていたものなのですね。地球は46億年ほど前にできた惑星ですが、できたてほやほやの当時は燃え盛るマグマだったそうです。それが徐々に冷やされるうちに空中にたまった水蒸気が雨となって地球に降り注ぎ、くぼみにたまって、やがて海をつくったといわれています。
そのときすでにその海には、そのマグマの成分が溶け込んでいて、なめるとしょっぱかったかもしれませんね。そういう記録、どこにもありませんが…。そして今では、その海には、地球上にある数多くの川から絶えず水が流れこんでいます。
ここがポイントなのです。川は海に流れていくとき、目には見えないですが、陸地の表面を削り取っていっしょに海へ運んでいるのです。その削り取られた陸地の表面(砂や土や石や岩など)には塩分が含まれています。
つまり、海には川の水といっしょに塩分も流れこんでいる、ということなのです。海水も絶えず蒸発していますが、雨が降るたびに、その雨水は陸地を潤して地表から、あるいは地下水となって、川に注ぎこみ、それがまた海へと流れ込んでいくために、海の水の量も塩分の濃度も変わることがない、というわけです。
つまり、これが海水がいつもしょっぱい理由なのです。季節やその年の雨量などで若干の上下はある、といわれていますが…。
スポンサーリンク世界にしょっぱくない海はあるの?
さあ、その海ですが、しょっぱくない海ってあるのでしょうか。世界地図を見ると、「○○海」という名前のいろいろな海があるのがわかりますが、どれもみんなひとつにつながっていますよね。季節やその年の雨量によって、若干の差はあるとしても、海水の塩分の濃度は、大体、平均して3.5パーセントといわれています。
が、その中にしょっぱくない海、もっと妥協して、しょっぱさを感じない海、ってあるのでしょうか。死海などのようにすごーくしょっぱい海があるのは知っていますが、しょっぱくない海…、あるのでしょうかねえ。
もともとしょっぱくない海は湖として分類されるものであって、「○○海」とは呼ばれないのではないでしょうか…。ま、そういった推測はさておいて、いろいろと調べてみましたが、やはりどこの海水もしょっぱいらしく、しょっぱくない海はない、ということがわかりました。
でも面白い事実を発見しましたよ。海水の濃度や味は、その海がある場所の緯度や気候など、そこの環境に応じて変化があることがわかりました。そうですよね。海の塩は陸地から運ばれてくることを考えれば、そこの地域の陸地の成分によって大きく異なってくるのは当然です。だから「○○塩はまろやか」、「○○塩は濃い」といった宣伝文句が誕生するわけです。
まとめ
海水のしょっぱさの元である海塩には、しょっぱさを感じさせる塩化ナトリウムのほかに、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。海に生きる魚たちは、このカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを栄養分として取り込んで生きています。塩化ナトリウムは取り込まないのですね。
それもまた海水がずっとしょっぱい理由の1つかもしれません。海に流れ込んでいる水は陸地の栄養分、とくに森林の栄養分を運んでくるといわれています。こうして考えてみると、地球上ではすべてが循環しているのだな、って思います。
山が先か海が先か、ってよくいわれますが、どちらにしても、それぞれが相互に相乗効果をもたらして地球を豊かな星にしていることには変わりありませんよね。それにしても、あの海に、46億年前の成分がいろいろな形に変化しながらも含まれていると思うと、海から採取してつくられた塩を粗末に扱うことなんてできなくなりますね。
スポンサーリンク
最後までお読みいただき、ありがとうございました!