思い出のマーニーは幽霊?マーニーの正体とは?

心に傷を抱えた2人の幼い少女。

彼女達の不思議な交流と、時を超えた強い愛情を描いた『思い出のマーニー』。

見ている人はもちろん、主人公の杏奈でさえも途中まではマーニーは杏奈が想像の中で作り出した実在しない架空の存在なのではないかと感じていましたが、湿地屋敷でマーニーの日記が見つかり、さらにマーニーの過去を知る久子という女性の話からマーニーは実在した人物であり、杏奈の亡くなった祖母であったことが分かります。

では、なぜ祖母・マーニーは少女の姿となって杏奈の前に現れたのでしょうか?

マーニーの正体について考察していきたいと思います。

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思い出のマーニーは幽霊?

実際のマーニーは既に亡くなっているということはやはり物語に出てくるマーニーは幽霊ということになるのでしょうか…。

しかし、作中で2人は手を握ったりハグをしたりと実際に触れ合っており、少なくとも杏奈の中では“幽霊とは違う実体のある存在”として描かれているように思います。

では、実際には存在しないはずのマーニーと杏奈はなぜ出会う事ができたのでしょう。

これはあくまでも私自身の仮説に過ぎませんが、マーニーはマーニー自身の思念を映した存在であり、また杏奈の想像上の存在でもある、ということなのではないでしょうか。

杏奈が幼い頃に祖母・マーニーが自身の幼い頃の写真を見せたり、幼なじみで数少ない友人でもあった杏奈の祖父・和彦たちと遊んだ話などを杏奈に語っていたために、その記憶がうっすらと杏奈の中に残っていたのかもしれません。

そして喘息の療養のために訪れた町で写真に写っていた湿地屋敷を見たことでその記憶が蘇り、夢とも現実とも区別のつかない不思議な世界を作り出してしまったのかもしれません。

そしてそこにマーニー自身の杏奈を思う思念のようなものも重なり、杏奈とマーニーの不思議な体験が生まれたのではないでしょうか。

例えばこれがマーニーだけが杏奈の前に現れるのであれば、杏奈の“想像上のお友達”で片付けられてしまうかもしれませんが、実際にははマーニーの両親やばぁやなどマーニー以外の人物も現れているところを見ると、やはり杏奈の想像だけで作り出せる世界だとは言いきれないですよね。

マーニーの身に起きている事は幼い頃に聞かされていた祖母の記憶から、杏奈に対するマーニーの言葉や態度は杏奈の想像と杏奈に幸せになって欲しいと願う祖母・マーニーが作り出した幻想なのではないでしょうか。

マーニーの正体とは?

マーニーの正体とはつまり杏奈の幼い頃に祖母から聞いたマーニーの幼き日の思い出話の 記憶が作り出した想像と、マーニーが杏奈を思う強い想い、またマーニー自身の幼き日の思念のようなものがごちゃごちゃに混ざりあって出来た、とても不安定な存在のような気がします。

“誰からも必要とされていない”と感じている杏奈が心の拠り所としてマーニーの存在を必要としている時、マーニーは確かに存在していますが、杏奈がマーニーに頼ることなく自分の居場所を見つけた時、マーニーはそっと杏奈の心の奥底に姿を消してしまいます。

完全に“消えてしまう”のでは無く、“杏奈の心の奥底に”マーニーは存在し続けるのですね。

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まとめ

公開当初は予告動画の「あなたのことが大すき」というセリフやあらすじだけを見て“もしかして百合(ガールズラブ)映画なのでは!?”

などと誤解をされてしまっていたこともある『思い出のマーニー』ですが、マーニーの正体を知ってから見ると全く違うことが分かりますね。

もしも勘違いしていてまだ見ていない!という方がいたら是非とも見ていただきたい心温まる感動の作品です。

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最後までお読みいただき、ありがとうありがとうございました。