2019年4月1日、新しい元号が発表されましたね。
これから「令和」と書くことが多くなりそうです。そこで気になるのが、「令」の字体です。正確には、人屋根(ひとやね)冠(かんむり)の下の字。あなたはいつもどうやって書いていましたか?「マ」と書いていましたか?それとも、「刀」?あらためてそう聞かれると、「はて?」と思ってしまいますよね。最近では、ワープロやパソコンなどで文書を作成することがほとんど。こちらが気にせずとも、マシンがきちんと正しい字体で表示してくれます。
このように今の世の中、手書きで書くことなどあまりなくなってきました。とはいっても、手書き派の人はたくさんいるでしょうし、マシン派の人だって、お役所の窓口にいって申請書類を提出するときなど、年月日を記入しなくてはいけませんよね。そこで今回は、「令」の字体について考えてみることにしました。
令の字体はどっちが正しいの?
いつだったか、どこかのお役所で、「令」を使った名前を記入する際に、印刷されている文字のとおり、「一」と「刀」を書いて提出するように、といわれたことが原因でもめごとが発生した、という記事を目にしたことがあります。
そのときは、「これってどうなの?」みたいな感じでサラリと読み流していましたが、これからはそうも言ってられませんよね。そこで調べてみました。「令」の正しい字体は何か、「マ」と「刀」の違いはあるのか。…が、どうも、どちらでもよい、というのが正解のようです。文化庁が出している「常用漢字表」というのがあるのですが、そこには、「書体や慣習による書き方の違いを改めさせるためのものではない…」、つまり、どちらでもいいですよ、みたいな感じで「令」の書き方が紹介されています。
なので、「マ」でも「刀」でも、どちらも字体としては正しい、ということです。(常用漢字表については、こちらをご覧ください。)
スポンサーリンクマと刀の違いとは?
上記の常用漢字表にもありますが、「令」の「マ」と「刀の違いは何か、というと、ズバリ一言でいうと、書体の違いだ、ということです。小学校の教科書などで使われている「教科書体」は手書きに似せて作られたフォントです。したがって、「マ」が使われています。楷書体なども同じです。これに対して明朝体やゴシック体では「刀」が使われています。ですので、「マ」と「刀」、どちらを書いても、叱られることもなければ、書き直しなさい、と言われることもない、ということです。
ところで、この「令」の漢字をよく見てみてください。上の人屋根という冠の下にある、この「マ」または「刀」は、人がひざまづいているように見えませんか?これがこの「令」という漢字の由来だそうです。「令」の漢字の意味は、広辞苑やネット辞典などを見ると、「命ずること、いいつけ、おきて、のり、相手に関係ある人を尊敬して言う語」などが挙げられています。それが転じて、「立派な、美しい、清らかな」といった意味にもとられていますが、この「令」は、そういったものに対してひざまづいて敬意をあらわしている漢字だ、ということでしょうか。
まとめ
漢字は、中国からやってきたものですが、それにやまとことばをリンクさせて、日本の社会や日本人の気質に応じて、いろいろな意味を含む言葉を育んでいった日本の文化は、やはりすばらしいと言えます。「令和」という元号が発表されたことで、一躍表舞台に立って脚光を浴びることになった「令」。
今回、万葉集で歌われていた言葉であることから、その漢字に、いろいろなニュアンスを含む意味があることもわかりました。あなたはこの「令和」から何をイメージしましたか?私がテレビで最初に目にした瞬間に感じたイメージは、「凛とした美しさ」でした。媚びることなく自国日本の美しさやよさを堂々と誇りに思えるような…、そんな国になるといいですね。
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