牛乳はお好きですか?
わたしは大好きで、コーヒーだったらカフェオレ、紅茶だったらロイヤルミルクティー、ココアだったらミルクココア、スープも牛乳で作ってしまうほどです。その牛乳、温めると表面に薄い膜ができること、ご存知ですよね。これって何だと思いますか?アクのようなものだから、といって、いやがって捨てる人も多いようですが、それはちょっともったいないかもしれません。
というのも、この膜は、豆乳から作られる湯葉と同じ原理でできていて、成分的にも栄養たっぷり。わたしなどは、スプーンですくって食べてしまいます。
今回は、この、牛乳を温めた時にできる膜を取り上げて、その正体を明らかにしていきたいと思います。
牛乳を温めた時にできる膜の名前は?
牛乳を温めたときにできる膜の名前は「ミルクカゼイン」といいます。カゼインというのは、リンタンパクの一種で、牛乳やチーズに含まれている成分です。では、このミルクカゼインという膜ができる現象は、どういう原理で発生するのでしょう。それを説明する前に、まずこの現象の名前を紹介させてください。
実は、牛乳を温めて膜ができる現象にも名前がつけられているのです。どんな名前かというと、「ラムスデン現象」という、ちょっといかめしい名前です。
これは、最初にこの現象に気づいた人がラムスデンという名前だったことに由来するようですが、別名「ピカリングエマルジョン」とも呼ばれているそうです。
こちらの呼び名は、この膜の研究を行って論文を発表した研究者の名前をとってつけられたとのこと。どちらも1900年代の初めのことです。この膜は、牛乳を40°C以上に温めるとできはじめます。最初はごく薄い膜ですが、温める時間が長かったり温度が高くなったりすると厚くなっていきます。温めると表面の水分が蒸発しますよね。
その時に、たんぱく質が、周囲の脂肪分や乳糖も取り込んで固まって、この膜を形成するのです。成分は、たんぱく質、脂肪、乳糖、そしてミネラルです。決してアクのようなものではなく、栄養価が高いので、もしおいやでなければ、これからはこのミルクカゼインも召し上がってみてはいかがでしょう。
ホットミルクの膜を張らない方法はあるの?
栄養価が高いことはわかったけど、やっぱり、どうしてもあのぬるぬるとした膜はいやだ、という人には、膜が張らないようにホットミルクを作る方法をご紹介します。
膜が張らないようにするには、常にミルクパン(お鍋)の中の牛乳を動かしておく必要があります。
つまり、スプーンでずっとかき混ぜながら温めると膜はできにくくなるということです。ヘラなどで鍋の底からかき混ぜまがら温めるのもよいでしょう。また、電子レンジで「牛乳を温める」を選んで加熱するのもよいそうです。ぜひ試してみてください。
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まとめ
牛乳を温めてできる膜の正体、おわかりいただけたでしょうか?
これで、今まで忌み嫌っていた白い膜も、ちょっと見直していただけたのではないでしょうか?
栄養価も高く、体にも害のないこのミルクカゼインという膜、海外では、これを使ってチーズを作っているところもあるとか。それでも膜はいやだ、という場合は、今回の学びを生かして、牛乳をかきまぜながら温めてみてくださいね。その時、くれぐれも沸騰させないように…。
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