歌舞伎の贔屓筋とは誰のこと?どんな人がなることができてその方法とは?

歌舞伎はよくご覧になりますか?誰か好きな役者さん、いますか?

私は、今はもう亡き両親が歌舞伎好きで、子どものころから、ときどき連れて行ってもらったことがあった、という程度です。が、姪が大学に入って、そのゼミ仲間に歌舞伎界の御曹司(誰とはいいません)がいたことがきっかけで、一時期、よく歌舞伎座に通うようになったことがありました。…といっても、もう20年以上前のことですが…。歌舞伎に贔屓筋がある、ということを知ったのはその頃でしょうか。

今回は、昨年歌舞伎役者と女優が結婚したことが原因で、再びいろいろなところで目や耳にするようになった「歌舞伎の贔屓筋」を取り上げて、一体贔屓筋とは誰のことを指すのか、どんな人なのか、はたまたどんな人がなれるのか、紹介したいと思います。

 

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歌舞伎の贔屓筋とは誰のことなのか?

 

歌舞伎の贔屓筋というのは、誰か、というよりも、好きな歌舞伎役者に肩入れをして応援してくれる人のことを指していう言葉です。要は、誰か特定の歌舞伎役者に対して経済的な援助をしてくれる後援者とか保護者のこと、つまりパトロンのことです。

ほら、昔、アメリカの女流作家、ジーン・ウェブスターの名作で「足長おじさん」という小説がありましたよね。あの足長おじさんのような人のこと、といったらわかりやすいかもしれません。ジュディという少女の才能と資質に目をとめて、彼女が大きく成長していけるように資金援助をしていく資産家です。

このように、歌舞伎の贔屓筋は、その役者の演技を評価して、それを守り育てていくために援助をする人、といった感じでしょうか。

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歌舞伎の贔屓筋はどんな人がなれるの?

では、その贔屓筋にはどんな人がなれるのでしょうか。大枚を払って応援すれば、誰でもなれるのでしょうか?残念ながら、誰でもそう簡単になれるものではなさそうです。いくら大金を払って何十枚ものチケットを買っても、一見さんはまず無理でしょう。

歌舞伎の贔屓筋になる方法とは?

贔屓筋になりたければ、どんな人も歴史と実績を積まなくてはならないようです。歌舞伎の世界にも後援会というのがあるので、まずそこに入ることからでしょうかね。じゃあ後援会に入って毎月足繁く公演を観にいったら誰でもなれるのか、というと、またこれもそんなに生易しいものではなさそうです。「何よ、じゃあ、一体どんな人がなれるっていうの?」という声が聞こえてきそうですね。そこでどんな人がなれるのかちょっと調べてみました。が、当然、「贔屓筋になるための条件」みたいなものはどこにも明記されてはいません。

…が、ねばり強く、歌舞伎の贔屓筋にはどんな人がなれるのか、その暗黙の条件みたいなものについて、歌舞伎通や自称贔屓筋という人から聞いてみました。すると、次のような答えが返ってきました。

「贔屓筋の紹介などがあって身元が確かな人、歌舞伎会ゴールド(というのがあるみたいです…)だけではだめで、その役者の後援会に入ってチケットを買うこと、次に、年間数十回以上は歌舞伎を観に足を運ぶこと。これを長年にわたって継続して実績と信用を積むこと」。

うーん、これはすごいことですね。歌舞伎界の後援会って、入会金はともかくも、年会費は万単位ですものね。そうそう、どんな人が歌舞伎の贔屓筋といえるか、もう1つすごい条件がありました。それは、その役者が会食や接待などで使えるような料亭やレストラン、和服を仕立てることができるような呉服屋や、はたまた、その役者をコマーシャルに出してくれるような企業の社長さん、みたいな人、だそうです。ふうーっ、ため息がでてしまいますよね。

まとめ

贔屓筋ひとつとってみても、歌舞伎の世界は「梨園」と呼ばれているように、本当に特殊な社会なんですね。でも、この贔屓筋という存在があったからこそ、歌舞伎という日本の伝統芸能はずっと支えられて維持されてきたのだといえるのではないでしょうか。

贔屓筋が口を出して別れざるを得なくなった、とか、贔屓筋にいじわるをされる、とか、巷ではいろいろと贔屓筋のことをいかにもいじわるな姑・小姑のようにいっているようですが(まあ、中にはそういう人がいることも確かでしょうが…)、彼らは、昔からずっと大切にしてきた○○屋の血筋と芸風と伝統を守りたいと思っているからこそ、すごーい資金を歌舞伎、それも特定の役者に注ぎこむわけですね。

そのためには、その役者の結婚相手に関して口をはさむこともあるのかもしれません。だって、「お家」を守っていかなくてはならないのですから…。そしてそのお陰でみんなが歌舞伎を楽しむことができるわけです。ああ、ありがたや、贔屓筋さまさま、ですね。

 

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