十二支に猫がいないのはなぜ?戌年はあるのに猫年がない理由とは?

子どもの頃、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の十二支を一生懸命に覚えた記憶がありますが、そのとき、不思議に思ったことが1つあります。

「どうして十二支に猫が入っていないの?」ということです。あなたはそんな疑問、抱いたことありませんか?大好きなワンコが十二支に入っていたからホッとしたものの、あの頃、子ども心にも「ワンコとニャンコはどちらも人間の大切な友だち」みたいなイメージがあったのでしょうね。「これじゃあニャンコがかわいそうだよ」と母親に訴えたことを覚えています。

今回は、この十二支を取り上げて、どうしてこの十二支に猫がいないのか、その本当の理由を調べてみようと思います。

 

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十二支に猫がいないのはなぜ?

十二支に猫がいない本当の理由は一体何なのでしょう。ここでは、十二支に猫がいない本当の理由として、現在巷で語られている次のような3つの理由を紹介したいと思います。

①ネズミにだまされたから

お釈迦さまが死の床にいるのを知って動物たちはお釈迦さまの元に駆けつけます。その動物たちに向かってお釈迦さまは「わたしの涅槃にやってきた順番に君たちを十二支に入れよう」といいます。このとき居合わせていなかった猫は、どんな話だったのかネズミに尋ねます。

するとネズミは、「明日の涅槃にお釈迦さまのところへ行くように」とウソをついたのです。そこで猫だけがお釈迦さまの涅槃に間に合わずに、十二支に取り入れてもらえなかったのです。猫がネズミを追いかける由来はここにあるのですね。

②猫がネズミを食べてしまったから

毒キノコを食べたことで死の床に伏してしまったお釈迦さまは、ネズミに毒消しの薬を取りいくように頼みます。ネズミは大急ぎでその薬を取りに走りますが、途中で出会った猫に食べられてしまって、お釈迦さまを救うことができませんでした。それが原因で猫は悪者にされて十二支に入れてもらうことができなかったのです。

③十二支がつくられた中国に猫はまだいなかったから

猫の起源は4000年前の古代エジプトとも8000年前のキプロスともいわれていますが、十二支がつくられた当時、その中国には猫がまだ入りこんでいなかったという説です。…が、どうも年代的にも無理があり、後世で十二支がつくられる以前の猫の遺骨も見つかっていることから、十二支に猫がいない本当の理由としては、この説はちょっとマユツバではないか、とされています。

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戌年はあるのに猫年がない本当の理由とは?

こうやって見てみると、上記3つの理由は、どれも本当の理由ではなく、後世の人間たちが考えてつくりあげたもののようですよね。では、戌年はあるのに猫年がない、つまり十二支に猫がいない本当の理由とは何なのでしょう。

もともと、十二支とは、はるか昔、古代中国の時代に、木星の位置を知るために開発された天文学の技法でした。木星の公転期間は12年。つまり、木星は12年かけて太陽の周りを1周するということですね。それをベースに、古代中国では、その年の木星の位置から月日や時間を割り出していたということなのです。

つまり、十二支は、動物とは縁のないものだったのですね。それを、後漢の時代に入って王逸(おういつ)という学者が、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」という十二支の文字を聞き慣れた動物の名前に変換させたという記録が残っています。そうした方が十二支が民衆の生活に深くなじむだろうと思われたからだそうです。そのときに、それぞれの文字の意味を民衆の生活に関わるものとリンクさせて決めていったとのこと。

例えば、「子(ね)は子だくさんで子孫繁栄。丑(うし)は大地を踏みしめて田を耕す存在…」みたいに…。そうやって動物を割り当てていった結果、猫をイメージする文字がなくて、とうとう猫は十二支からあぶれてしまった、つまり、十二支に猫がいない本当の理由はたまたまだった、という見方の信ぴょう性が最も高いように思うのですが、あなたはどう思われますか?

まとめ

十二支に猫がいない本当の理由は、といった問いかけにいろいろな説が答えていますが、もともと十二支が動物に無縁のものだったと知ってしまうと、どれも本当の理由ではなく、作り話だということが明確になってきます。十二支には、猫とネズミの話だけでなくて、犬とサルやウサギの話や牛とネズミの話、十二支に入れなかったカエルの話など、どれもかわいくてその動物の特性をよく表していて、思わず笑ってしまうようなものがいくつもあります。

もちろん、これが昔の人たちの創作だということなど、みなさんは十も承知ですよね。でも、いつまで経っても、こうして巷で話題にされるというところを見ると、十二支を動物と結びつけた王逸の功績はすばらしいなあ、と、思ってしまいます。

ひょっとして本当の理由はここにあったのかも…、なあんて、夢はいつまでも持っていたいもの。十二支の物語は、そういった人間たちの心情に深く入り込んでいる古きよき時代の文化の1つなのかもしれません。

 

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