あなたは、「子ども飛び出し 」とか「 で立ち入りを する」とかいったようにマヌケな立て看板や注意書きを目にしたこと、ありませんか?おそらくこれは、「子ども飛び出し注意」とか「無断で立ち入りを禁止する」みたいに書かれていたのだと思うのですが…。
そういえば、以前、私は、泥棒撃退の効果を狙って「猛犬注意!」というステッカーを家の門に貼ったことがありました。「猛犬」が赤字で書かれていて、ほかの文字は黒い色で書かれていたステッカーでした。が、何か月か経つとそれが「 注意!」になってしまって、「なんじゃ、こりゃ?」と思ったことがあります。
そう、看板の赤色って、消えるのですよね。今回は、どうして看板の赤色が消えるのか、その理由を探ってみたいと思います。
看板の赤色が消えてしまう理由とは?
ここでは看板の赤色が消える理由について説明します。看板などの塗装に使われる赤色の塗料には、顔色と染料の2種類があります。たとえば、神社の鳥居の塗装に使われている赤色は、ベンガラという酸化鉄を主成分とした顔料で塗装されています。
この顔料は水やアルコールに溶けない不溶性。だから何年経っても色があせないのですよね。しかもベンガラは無機物で分解しないので消えることはありません。これに対して染料は可溶性。水にぬれると色素が溶け出してしまいます。それに有機物なので光に弱いのです。
つまり、光に当たると発色構造が分解してしまう、という弱点をもっているんですね。だから、ベンガラで塗られている柱などとは違って、看板に赤い色で書かれた文字は、光によって分解され時間と共に色が消えるのです。これが赤色が消える理由です。
スポンサーリンク赤の塗装は弱くて劣化しやすい?
赤の塗装が弱くて劣化しやすいその理由を説明する前に、そもそも、どうして赤く見えるかを考えてみましょう。それは、赤い色は光に当たると赤い色を反射して青や紫の色を吸収するからだそうです。つまり反射された赤い色が私たちの目に入ってくるから、「赤い」と認識できるということですね。
青い色はその反対で、青い色を反射して赤い色を吸収するために、「青い」と私たちは認識するわけです。ということは、赤色は、青や紫の色を吸収するということ。すなわち紫外線を吸収するわけです。そしてその紫外線というのが曲者なのですね。
原子と原子の結合を破壊する力を持つこの紫外線は、人間の皮膚にダメージを与えるほどの高エネルギーをもっているのです。私たちがUV対策に必死になるのもこのためなんですね。
そう、看板などの赤色も同じです。ことに屋外に置かれた赤色は、常に高エネルギーにアタックされているのです。これが看板の赤の塗装は弱くて劣化しやすくなる原因なのです。
だから、時間と共に赤い色で書かれた文字は消えるのです。これが赤の塗装が弱くて劣化しやすい理由です。
まとめ
人の注意を引くためには、やがては消えるとわかっていても、やっぱり塗装には赤い色を使いたくなりますよね。一瞬にして目に入ってくるような塗装が施された看板や注意書きを作るためには、赤色は必須カラーです。いずれ消えるとしても、使ってしまいます。耐光性がよくて、劣化しにくく消えることのない赤色の染料もあることはあるようですが、まだまだ高価で、そうすぐに手が出せるものではないようです。ではどうすればいいのでしょう。
塗装に何かいい工夫はできないものでしょうか。原子レベルで考えると、いろいろな方法が見つかるかもしれません。たとえば、相互の原子の結合の弱点を補完するように重ねて塗装をするとか、コーティングをするとか…。それよりも、赤い文字が消えるたびに、看板を作り直した方がてっとり早いかもしれませんけれど…。
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